患者さんが歯科医院に求めることをどれだけ実現できるか?
−患者さんの期待
−医院が提供できること

医院の役割

製品の質は、医院の品質方針に基づいて設計され、提供された歯科医療サービスが、医院 と患者が必要と考えたこと(顧客要求事項)をどれだけ達成できるか(できたか)によっ て評価される。

「(品)質管理は消費者の要求する(品)質を実現するために行う。
(品)質管理の第一歩は、消費者の要求する真の(品)質は何か、これを明らかにすることにある。」

1. 基本的な概念
1) 医院が行いたいのは歯科医療サービスの質向上である
2) 質を向上させるためには、現在の業務のやり方を少しずつ改善する
3) 改善のためのベースは標準化である
4) 質マネジメントシステム ・・・ 組織的な改善をすすめるための仕組み

2.「製品、顧客、質」
1) 製品/患者に提供される歯科医療サービス全体
2) 顧客/ 患者様及び保護者(家族など)
3) 顧客要求と質/
  質がよい=顧客の要求を満たすこと/現在の保有能力で最良の方向に向うこと

3.改善のための重要な考え方
1) プロセス指向(仕事のやり方、手順)=
よいプロセスがよい結果を生む
2) マネジメント = 経営の仕組みをPDCA( Plan , Do , Check , Act )をまわすこと
3) 重点指向 = 重要な問題に絞る。 問題を捨てる。 中途半端な取り組みではいけない。
4) 事実に基づく管理 = 調べられることは調べる(事実確認)。  データ分析。

4.標準化と改善(標準化とその意義)
1) 不適合、作業ミスの防止
2) 決めることによる作業能率の向上
3) 改善の容易化・促進
4) 必要な作業内容の伝達
 標準化されないと改善の対象が特定できない。
  ・ 作業の可視化
  ・ 検討可能         
  ・ 改訂
  ・ テキスト

5.標準によるマネジメント(改善)の基本

1) 標準はPDCAのP
2) 不完全かも知れないが計画を文書化する
3) それに基づいて実行し、チェックする
4) 問題があれば
 データ分析、改善(是正処置)
  ・ 様々な観点から分析
  ・ 標準の改訂        
  ・ 教育による徹底
  ・ 再発防止を図る

6.質マネジメントシステム(QMS)

 「質マネジメントシステム」
  − システム:仕組み、業務のやり方(人・設備などを含む)
 「組織的な活動」
  − 統括する仕組みが必要

自分たちが提供するものは何か?
自分たちが提供しているものの「質」とは何を指すか?
どうやれば「よい質」の歯科医療サービスを提供できるか?
どうやれば患者さんの期待に応えられるか?
どうやれば継続的に質を改善できるか?

を、みんなで考え、認識を共有し「システムによる質保証」を
  可能にする体制を具体化する。
システムにおける(患者さんによい質の医療を提供するための)
  各自の位置と役割が見える。
質はプロセスで作りこまれる、という考え方が浸透する。
標準化が進み仕事がやりやすくなり安心して仕事が
  できるようになる。

プロセスの管理指標(測定方法)を作る。
患者の期待する質を製品設計に組み込む。
医院の品質方針を明確にし、達成するための目標を設定する。
業務の標準化(〜するために)を整備する。
失敗に学び改善できる仕組みと組織体制を作る。

 

田舎の病院の生き残り戦略として医療の質の向上が欠かせない。患者は病院を判定する。


各職種が病院運営の為に配置され、各種の活動をやってきたが、組織全体としてインフラ、ハード、人的資源を整えるだけでなく、病院全体の目的として全員が共有できるものがあることが大前提で、それが患者・家族の満足に繋がる。


朝の全職種によるカンファレンスをリスマネージメントの一環として行っている。医者に日頃言いにくいことが朝会では状況として報告される個人攻撃にならずに、医者に対して言いにくいことが言える。大学から来た医者も聞いてくれるようになった。


グループを構成する事業主体が、医療法人、社会福祉法人、株式会社など様々なものから構成され、適用される法律もやっていることもバラバラ。有機的に足並みをそろえてグループとして一貫した活動をすることが大切。クループのどこにアクセスしても安心できるサービスを提供したい。これらにISOが欠かせない。


医療行為・看護行為を病院として標準化したい。ある一定のやるべきことに関するマニュアルが病院のどこでも出てくるようにしたい。意思の裁量に任せるのはだめ。


ISOを最初は半信半疑に思っていたが、ISOは医療の質を高める骨格となるツール。組織の一体感の醸成にも有用。ISOは毎年審査がありシステムに良い仕組みである。病院機能評価機構は医療専門家の目で確認するが一度取ると5年間は途中でチェックがない仕組みでもある。両方取ることで価値が増すと考えている。


病院経営が苦しくなって中期計画をスタートし経営建て直し。一致団結の目的で医療安全を目指して医療機能評価をとり引き続いてISOをとった。医療機能評価は特別な準備をせずに普段着のままとろうと試みた。ISOはその延長上。
特に両者を区別はしていない。外部PRが目的ではなく医療安全が患者の満足、ひいては利益につながると思っている。


事故報告書が出るようになった。今後は有効活用を図りたい。


誤薬・誤注射が減った。


内部監査でPeer Checkの観点から予想外の成果が出た。医師への内部監査で若手の無職の監査員が堂々と医師に指摘をした。内部監査はドクターの組織改革にも有効。


朝の全職種によるカンファレンスをリスマネージメントの一環として行っている。医者に日頃言いにくいことが朝会では状況として報告される個人攻撃にならずに、医者に対して言いにくいことが言える。大学から来た医者も聞いてくれるようになった。


品質目標設定として達成できないことではなくて、出来ることを目標として取り上げる。カビの生えたような目標ではなく、up-to-dateな目標。
各部門で出来ることと+αの目標設定。一段一段上っていく。一段ずつでよい。部署数×年の向上が期待できる。期待している。目に見える効果が生み出せると思っている。